とーく!!   0回目

これは、璃音(リオ)と愁哉(シュウヤ)二人の日常物語。

これは、姉(25歳)と弟(20歳)二人の平凡物語。

何気ない会話が繰り返される物語。

 

「愁哉ー、起きてるー? もう7時だし、起きてるよね」

「姉貴……問答無用で部屋に入ってくんなよ」

「なんで? なんか、やましい事でもしてんの?」

「は?! いや、常識的に考えろよな」

「とか言って、なんかあるんでしょ」

「いや、ないから」

「姉に嘘をつくなんて数万年早いわっ! 手元に隠してるもの、なーんだ」

 璃音は愁哉が隠していた物に手を伸ばした。

「ちょ、やめろよ」

「どれどれー。なーんだ、年頃の男がお世話になる本じゃないのかぁ。つまんないの」

 璃音が手にしたのは仕事の求人誌だった。

「そんなもん、持ってないっつーの」

「え? それはそれでどうかと思うけど」

「姉貴にだけは言われたくない」

「ん? それ、どーいう意味」

「いい歳して白馬の王子様を未だに夢見てる様なって意味だけど」

「愁哉ぁー、結構多めな女性たちを今敵に回したね」

「俺の周りでは姉貴ぐらいしか知らないけど」

「それは、愁哉の交友関係が狭すぎなだけでしょーが」

「そ、そんなことねーし」

「あ、それはどうでもいいんだけど」

「どうでもいいのかよ……無駄に傷ついたっつーの」

「あれ、忘れちゃった」

「は? 何しに来たんだよ!」

「ま、いいや。思い出したらまた来るわー」

 愁哉は璃音が去った後、ひっそりとスマホの電話帳を開く。

登録件数6件・・・・・・・・・・

「姉貴、なんで分かったんだ……」